【宿便はある・ない?】ファスティング中に出る便の正体とは 

ファスティング

ファスティング中に便が出るのはなぜ?

※まず初めに
今回の記事は便についての内容になります。記事の目的上、多少汚いと感じるような表現もありますので、あらかじめご了承ください。

 

「ファスティングをすると宿便が出る」こんなことを聞いたことないでしょうか?

・宿便が出ると大幅に痩せる
・身体中の毒素がデトックスされる

こんなファスティングの宣伝をよく見かけたりします。

食事を摂らなければ便は出ません。しかしファスティング中は食事を摂取していないにもかかわらず、途中で大量の便が出ることがあります。

ファスティングをすると大量の便が出る理由とその正体、そして宿便とはなんなのか?宿便が出ると劇的に痩せるのか?それらについて解説していきます。

 

便について

宿便の前にまずは便、つまり「うんち」についてお話ししていきます。毎日お通じがあることは、健康な体を保つ上で非常に重要なことです。「便秘は万病の元」と言われるくらい排泄は大切なことです。

■便の内容

食べたものを消化吸収して残ったカスが便だと思いがちですが、実際に便の約60〜70%は水分です。そして残りの20%が、それぞれ「新陳代謝による剥がれ落ちた腸壁の細胞・腸内細菌・胆汁などの分泌液」です。食べたもののカスは数%と言われています。

 

■便はデトックスの要

エステやホットスタジオ、スパなど色々なところでデトックスという言葉が出てきますが、1番のデトックス行為は「排泄」です。

デトックスの比率をみると

便:75%
尿:20%
汗:3%
髪:1%
爪:1%

このようになっています。多くの人は「汗=デトックス」思いがちですが実はそれは間違いです。デトックスはほぼトイレによるものです。

特に腸内に滞留した便の成分のほとんどは脂質とタンパク質です。それらが腐敗することで腸内細菌バランスが悪玉菌優位の状態になり、腸内環境が悪くなるのです。

排出されず腸内に滞留した便はどんどん腐敗していきます。そして悪玉菌が増殖し腸内環境は悪化します。腐敗した便からは有害なガスなどが発生し、血液に乗って全身の細胞に行き渡ってしまうのです。(肌荒れや吹き出物といった症状で現れることが多い)

■便でわかる腸内環境

腸内環境の良し悪しは便の状態でわかります。例えば生まれたばかりの赤ちゃんの腸は約99%がビフィズス菌で悪玉菌はほぼいません。なので、黄色くて柔らかくそしてほぼ悪臭がしません。逆に悪玉菌が多いほど色が黒っぽく臭いもきつくなります。

【腸内環境が良い便】
・黄色っぽい
・臭いがきつくない
・水に浮く
・硬くない(スムーズに排泄される)

【腸内環境の悪い便】
・黒っぽい
・臭いがきつい
・硬かったり粘りが強い

 

■腸内細菌の種類

腸内環境は腸内細菌のバランスで決まります。

腸内細菌は次の3種類になります。

・善玉菌
・悪玉菌
・日和見菌

理想的な腸内細菌バランスは「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」になります。

簡単に言えば次のようになります。

・善玉菌>悪玉菌=良い腸内環境
・善玉菌<悪玉菌=悪い腸内環境

※日和見菌は中立な立場にあり、優勢な方に加勢する性質を持っている。良い腸内環境を作るには善玉菌を優勢にして、日和見菌を味方にすることです。

 

宿便とは

宿便とは医学的観点からみると「便秘により、腸内に長く滞留している便のこと」です。便秘でずっと出ていない便のことです。つまり便秘の人しか宿便がある可能性はないということです。

医学的にはファスティングや民間デトックス療法などでよく言われる「腸壁などにこびりついて長年滞留している老廃物や便カス」というのはありえないと言われています。

 

■宿便って本当にあるの?

腸内に長年蓄積している便カスのようなものがある・ないという議論は様々なところでされています。便秘で出ていない滞留便ではなく、腸壁などに長期間付いて残っている便のことです。

基本的に消化器系の医師は腸内に長期間付着しているような便カスや老廃物と言った宿便は存在しないと言っています。対して断食療法やファスティングをすると、便秘でなくても大量便が出る現象が起きることから、宿便は存在すると主張する人たちもいます。実際はどうなのでしょうか?

 

■数ヶ月単位での滞留物はありえない

まず何年にもわたって蓄積されたものというのは、ありえないと考えられます。宿便は腸壁のヒダ状部分に便カスなどの老廃物が蓄積するという主張です。

しかし腸の細胞も新陳代謝により入れ替わっていきます。腸壁の古い細胞は剥がれ落ちていきます。仮に腸壁に老廃物が付着したとしても1週間程度で細胞と一緒に取れていくはずなのです。

腸細胞の新陳代謝周期は5日間程度ですので、何年も腸壁に汚れがこびりついたままというのは考えにくいといえます。

 

■内視鏡での大腸について

現在は内視鏡などの技術が進んでおり、大腸内を見ることができます。だからこそ医師たちは腸内に長年滞留しているような便カスや腸壁が汚れているようなことはありえないと言っているのです。

しかし、大腸検査の前は腸内を綺麗にします。だから腸内が綺麗なのは当たり前です。事前に洗浄せずに大腸内を見て全く汚れていない状態であれば、言っている主張はその通りなのですが、実際にはきれいに洗浄した状態で見ていることがほとんどなので、常に腸壁がつるつるで綺麗というのも絶対にそうだとも言えません。

 

■結論

何年にもわたって蓄積しているものはないと考えています。しかし1週間単位程度の腸壁の汚れなどはあるのではないでしょうか。快便の人でも腸内に何もなく、常に綺麗でつるんとしているとは考えにくいです。食事をし消化吸収を繰り返している限り、多少なりとも汚れのようなものはあると思います。

ではファスティングで出る宿便とは何なのか?それを「ファスティングで起こる宿便」でお伝えしていきます。

 

ファスティングをすると出る便の正体

何年にもわたって腸内に付着している滞留便や老廃物はないとお伝えしました。ではファスティングをして出る大量便とは何なのでしょうか?

ファスティングで排泄される便の正体は次の2つです。

1.便秘出ていなかった便
2.腸内細菌の死骸、古い腸壁の細胞、胆汁などの分泌液

 

(1便秘による滞留便

単純に便秘で出ていなかった便が出る場合です。これはある意味宿便が出たとも言えます。しかし便秘症の人は普段便秘薬を飲んでいることも多いので、長期間滞留していた便が出るとは考えにくいです。

ただファスティングをきっかけに便秘が良くなったというケースはよくあります。

 

(2)腸内細菌の死骸など

ファスティングで言われる宿便はほぼこれになります。「2.便について」で解説した通り、便の内容物には「腸内細菌の死骸、剥がれ落ちた古い腸壁の細胞、胆汁などの分泌液」が含まれています。

日常生活でもこれらの不要物は便として排泄されますが、ファスティングの時は普段の時以上にこれらの不要物がたくさん排泄されるのです。

ファスティング中は悪玉菌のエサになるものを摂取しないので、悪玉菌の死骸が大量に排泄されます。なのでファスティングで出る大量便は色が黒っぽかったり臭いがきついのです

 

■何日目ごろにくる?

私がファスティングを実践した経験上、そして指導経験上では4〜5日目に来ることが多いです。4〜5日目の朝あたりにお腹がキューっと痛くなり、お通じが来る感じです。

■便の特徴

・緩い下痢のような状態
・色が真っ黒いことも
・臭いがきつい
・大量に出ることも多い

腸内の悪玉菌が多い人ほど、色が黒かったり臭いがきつくなります。形のある便ではなく緩い水っぽい便の場合がほとんどです。

 

■ファスティングで便がくるコツ

デトックスとの関連性は何とも言えませんが、確かにファスティングで大量便が出ると、非常に体は軽く爽快な感じがします。しかしファスティングをすれば必ず出るわけではありません。

正直な話必ず出る方法はありません。ただいくつかポイントというか法則はあります。

【便を出す4つのポイント】

・4日以上行う
・準備期間を設ける
・質の良い酵素ドリンクを摂る
・水分をしっかり摂取する

宿便を確実に出すファスティング法というのはありません。出る時と出ない時があるのは正直なところです。しかし、比較的起きやすいファスティングは上記4つのポイントを守っていることです。

 

・4日間以上行う

宿便は4日目辺りにくることが多いので、2〜3日のファスティングだと宿便が出る前に終わってしまいます。日数は長めに行うほうが確実です。

 

・準備期間を正しく設ける

準備期間は「ファスティング中の空腹感の軽減や体調不良の防止」など効果的なものにするために欠かせません。準備期間を作った方が、腸内環境も整備され便が出やすいのではないかと思います。

 

・質の良い酵素ドリンクを摂る

質の良い酵素ドリンクには乳酸菌や食物繊維など、善玉菌のエサになるものがたくさん含まれています。また発酵していることで低分子化され、胃腸への負担がより軽減されます。

 

・水分をしっかり摂ること

排泄に水分摂取は欠かせません。特にファスティング中は体内に水分を溜め込んでおく能力が低下することや、食物からの水分摂取がないので、十分な水分補給をすることが重要になってきます。

 

宿便が出ると痩せるって本当?

便秘症の人がずっと出ていない便が出ればもちろんその分体重は減ります。しかし便秘ではない人がファスティングで大量便が出ても痩せるわけではありません。

ファスティングをして出る宿便は腸内細菌の死骸がほとんどです。元々人の体には1000種類以上、100兆個以上の腸内細菌が生息していると言われ、重さにして1〜2kgになります。

ファスティングで大量の便が出るのはこの腸内細菌の死骸です。一時的に腸内細菌の分体重が減るかもしれませんが、新たに腸内細菌が腸内に住み着きますから、その分の体重は戻るのです。これはリバウンドというわけではありません。

よく広告で言われる「宿便が出ると劇的に痩せる」というのは間違いです(便秘の場合は覗く)。

ただ腸内細菌バランスが良くなることで、確実に太りにくくなります。腸は栄養の吸収や新陳代謝に大きく関わっているので、腸内環境が良くなればそれだけ新陳代謝が高まり太りにくくなるのです。

ファスティングと腸内環境について

ファスティングを行うと腸内細菌バランスが非常に良くなります。これは悪玉菌を増やすようなことを行わないからです。逆に善玉菌を増やす環境なので腸内細菌バランスが良くなるのです。(ファスティング中に摂る酵素ドリンクは植物性食品でかつ発酵しているので善玉菌が非常に多い)

そして腸内の悪玉菌などが一気に排出され新たに腸内フローラを形成しなおすことができるのです。

 

■腸内フローラとは?

私たちの腸には500〜1000種類上、約100兆個以上もの腸内細菌が住み着いています。大きく分けて善玉菌・悪玉菌・日和見菌ですが、これら腸内細菌の集団をまとめて「腸内細菌叢」と呼びます。

叢とは草むらのことです。英語で植物相を意味するfroraを用いて、「腸内フローラ」とも呼ぶことがあります。腸内細菌はそれぞれの種類でグループを作って生息しています。その様がお花畑のようと表現されることもあります。この腸内フローラは私たち一人一人違います。

 

■腸内フローラの構成要素

1.遺伝的な要因
2.発育環境
3.腸内細菌バランス

腸内フローラを整える上で、私たちができることは「腸内細菌バランス」を整えることです。腸内細菌のバランスは「年齢・食生活・心身のストレス・薬の過剰摂取」などが大きく影響します。

食生活が乱れたり過度なストレスなどがあると、悪玉菌が優勢になり様々な健康上のトラブルを引き起こします。ファスティングは乱れた腸内細菌バランスをリセットするとともに、良い腸内フローラを作る食生活改善のきっかけにもなるのです。

 

■腸内フローラはファスティング後の食事次第

ファスティングをすると腸内細菌バランスが改善します。しかし改善された腸内環境の維持、良い腸内フローラの再形成には、ファスティング後が重要になります。

ファスティングが終わったからといって悪玉菌を増やすような食事をすれば、また一気に腸内環境は悪くなってしまいます。胃腸に負担をかけないためにも回復期間を設けることと、通常の食生活に戻した後も、腸に良い食生活を心がけてくことが大切です。

 

【回復期間を作る】

ファスティング後は必ず回復期間を作ってください。回復期間は食事を摂っていなかった内臓のリハビリ期間のようなものです。お粥など胃腸に負担のかからないものからはじめ、徐々に通常の食生活に戻していきます。

回復期間はファスティングと同日数〜半分の日数を行います。(6日間ファスティングをしたら3〜6日回復期間を作る)

回復期の前半はお粥や野菜中心の副菜や汁物を、後半は玄米ご飯、汁物を中心に、野菜・豆類・海藻類・きのこ類などを入れていくのが理想です。

 

【ファスティング終了後の食生活】

回復期間が終われば正式にファスティングが終了し、通常の食生活に戻ります。良い腸内フローラの再形成のために次のことを意識してください。

・まごわやさしい食
・発酵食品をたくさん摂ること
・悪玉菌のエサになる食品は控えめにする
・良い脂質を摂ること

 

(1)まごわやさしい食

・ま:豆類(大豆食品など)
・ご:ごま(種実類)
・わ:わかめ(海藻類)
・や:野菜、果物
・さ:魚介類(青魚、タコ、イカ、貝類)
・し:しいたけ(きのこ類)
・い:芋類(サツマイモ、里芋など)

 

(2)発酵食品を摂る

発酵食品は乳酸菌など善玉菌のエサになるものが含まれており、健康には欠かせません。また酵素食品でもあるので代謝を高める効果もあります。

おすすめ発酵食品
・納豆
・ぬか漬け
・キムチ
・ピクルス
・酢
・甘酒
・鰹節

 

(3)悪玉菌のエサになる食品は控えめにする

腸内環境を悪化させやすい食品(悪玉菌のエサになる)

・動物性食品(特に脂の多い部位)
・小麦粉(精製されたもの)
・白砂糖

特に注意したいのは上記3つです。タンパク質は肉類に偏りすぎないように魚介類や大豆食品などバランスよく摂るようにしましょう。

またパンなどは腸内環境を悪化させやすいだけでなく太る原因にもなります。パンを食べたい時は「ライ麦パンや全粒粉パン」など、未精製穀物を使ったものにしましょう。

 

(4)良い脂質を摂ること

人の体は1つ1つの細胞が集まってできていますが、その細胞に重要なのが脂質です。ファスティング後は良い脂質(オメガ3やオメガ9)を積極的に摂り、トランス脂肪酸やオメガ6、動物性脂質は控えるようにしてください(トランス脂肪酸は絶対にNGです)。

オメガ3
亜麻仁油、エゴマ油、青魚

オメガ9
オリーブオイル

 

【良い腸内環境作り】

・食物繊維、乳酸菌、ビフィズス菌を多く摂る
・食べ過ぎない
・夜遅い食事は控える(20時までに終えるようにする)
・動物性食品は控えめにする
・お酒、タバコを控える
・ストレスを溜め込まない
・適度な運動
・過剰な薬の摂取を控える

 

【腸内環境で体は大きく変わる】

■腸内環境が悪い

栄養(食べたもの)の消化吸収が悪い

各細胞の代謝に必要な栄養が十分に届けられない

細胞の代謝が低下

ダイエットには筋肉が重要と、筋トレを頑張っている人も多いと思います。しかし腸内環境が悪ければ、筋トレを頑張っても筋肉の成長に必要な栄養素が十分届けられず、筋肉量が増えていかないという事態になってしまいのです。

■良い腸内環境

栄養の消化吸収が良い

各細胞に効率良く栄養素が届けられる

代謝が活性化

美しく健康的な身体を保つことができる

私たちが健康的に生きていくには栄養素が必要です。だからこそ食事をします。その大切な栄養素を消化吸収する働きが腸なのです。

 

まとめ

ファスティングで大量便が出ることは健康にも美容にも良い現象ですが、宿便と語ったダイエットや美容商法には注意してください。

ファスティングで出る宿便とは「腸内細菌の死骸・腸壁の細胞・胆汁」などです。便が出ても痩せるわけではありません。(太りにくい体になることは確かです)。

 

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